この記事ではインフルエンザに関する漢方薬を紹介します。

インフルエンザと一般のカゼとの相違
インフルエンザも一般のカゼと同様にウィルスによる感染症です。ただし症状や感染力、危険性に違いがあるため区別されています。また一般のカゼと病原体が異なるため症状に違いがあります。
インフルエンザの主な症状
インフルエンザの主な症状は高熱(38℃以上)、寒気(悪寒)、頭痛、強い関節痛や筋肉痛などです。子供の場合は高熱が続くとインフルエンザ脳症、年配者の場合は肺炎や心不全などを引き起こすこともあるので特に注意が必要です。
インフルエンザにおススメの漢方薬
インフルエンザにこの漢方薬がよいというのはありません。患者さんの今の病状と体質に合わせて漢方薬を選択します。つまり漢方薬の種類と服用のタイミングが重要となります。
麻黄湯(まおうとう)
寒気・悪寒がする、肩がこる、関節や腰が痛い、頭が痛い、汗をかいていないなどの症状があればインフルエンザの初期症状です。このタイミングで服用する漢方薬が麻黄湯です。
服用の目安は1~3日です。
年配者には麻黄湯は胃にもたれる場合があります。その場合は葛根湯を選択してください。また、汗がじっとり出る場合や胃腸が弱く葛根湯が服用できない方は桂枝湯を選択してください。
銀翹散(ぎんぎょうさん) または 小柴胡湯加桔梗石膏(しょうさいことうかききょうせっこう)
高熱がある、のどが痛みや頭痛、関節痛など痛みが激しい、発汗があるなど症状があればインフルエンザの感染症状です。麻黄湯や葛根湯で治らず症状が重くなった場合も含みます。このタイミングで服用する漢方薬が銀翹散または小柴胡湯加桔梗石膏です。この時期に麻黄湯や葛根湯を服用すると症状が悪化する場合がありますので注意が必要です。
銀翹散には銀翹解毒散、銀翹解毒丸などの別名があります。
柴葛解肌湯(さいかつげきとう)
インフルエンザの初期症状から感染症状まで幅広くカバーしている処方で、葛根湯と小柴胡湯加桔梗石膏を合わせた処方です。インフルエンザにかかった可能性あるがどの薬を服用してよいか迷った場合は柴葛解肌湯を選択してください。この処方は1920年ごろに流行したスペイン風邪(インフルエンザ)に多く使われた歴史があります。
麦門冬湯(ばくもんどうとう)
インフルエンザは治っているのに痰が切れにくく乾いた咳が続く場合は麦門冬湯で呼吸器系の粘膜を整えます。1週間ほど服用していると回復していきます。薬用ニンジンが含まれていますので病後の体力回復にも有効です。
柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
インフルエンザは治っているのに微熱が続く場合は柴胡桂枝湯で免疫系を整えます。1,2週間服用していると回復していきます。この処方にも薬用ニンジンが含まれていますので病後の体力回復にも有効です。
補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
インフルエンザは治っているのにだるさや疲れといった疲労感や倦怠感が残っている場合は補中益気湯で免疫系や消化器系、呼吸器系を整えます。1,2週間服用していると回復していきます。この処方にも薬用ニンジンが含まれていますので病後の体力回復にも有効です。
また、インフルエンザやカゼにかかりやすい方は長期服用して予防対策することをお勧めします。
ハーブ
ハーブの中にもインフルエンザに有効なものがあります。欧米で「インフルエンザの特効薬」の異名をもつエルダーフラワーは体を温めてくしゃみ・鼻水・鼻づまりといった呼吸器系の症状を緩和します。他にも免疫系に効果があるといわれているエキナセアや葛根湯と似た効果のあるジャーマンカモミール、ビタミンCが豊富に含まれるローズヒップなどもおすすめです。それぞれハーブティーとして摂る場合はそれぞれティースプーン山盛り1杯程度が目安です。
最後に
医療機関を受診できる場合はそちらを優先するようにしてください。先に述べましたがインフルエンザは一般のカゼと異なり危険性が高い病気です。漢方薬の服用は医療機関の治療と並行して行うようにしてください。また漢方薬を服用して症状が悪化する場合や他の嫌な症状が出た場合はすぐに医療機関を受診するようにしてください。
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